バーのマダムからの電話を間違えて同姓の上司に取り次いでしまったOL

そもそもバーだのキャバだのでは無闇に名詞を配らないというのは鉄則で流行らないバーとか固定客のいないキャバ嬢に名詞を渡したらヒマなときに限って電話が来るようになる。

それでも最近は携帯の普及で会社に直接電話がかかる事は少ないのだが皆無ではない。

特にこのマダムはケチだったので携帯の料金を気にして固定電話からカモになりそうな男の会社に電話をかけていた。

この日のターゲットはジュエリー会社勤務の30代で役職は営業課長、前回、固定客に誘われて店に来た時には気前良く女の子の要求にも応じてフルーツを注文したり、少し高額なボトルも入れてくれたので何とかして常連にしたかった。

夕刻になるのを待ち、遅すぎても予定を入れられる前にと思い4時半には電話を入れてみた。
マダム

ところで、この課長、偶然にも上司である営業部長とは同姓で社内では役職で呼ばれているし主要な取引先も、そのことを知っているから間違われることは少なかった。

ところが件のマダムの方は常連客である営業部長と電話をかけた相手が同じ会社に勤務しているとは思わなかった。

なぜならば部長の方は名詞を渡すことなくストレートに携帯の番号と直アドを知らせておいたからだ。

実は部長の方はマダムにぞっこんだった。

課長と同じく取引先の接待で店を紹介されて以来、足しげく通っていたのはマダムに会いたいからだ。

急いては事を仕損じるとは思いながら不純な思いがあったことは否定できない。

ただ、彼は用心深かったので名詞を渡すことは避けておいたのだ。

しかし、これが悲劇を生む結果となる。

役職ではなく名前で指定するマダムからの電話を部長宛のものと勘違いして、課長か部長かの確認をすることもなく即座に部長に取り次いでしまったのである。

部長は怪訝な顔をしながら高橋と名乗る女性からの電話を受け取ったものの、みるみるうちに顔つきが変わった。

いや、ぞっこんのマダムの声を聞くのは嬉しいのだが話の鉾先が自分ではなく、よりによって部下である課長に対してのものであることと、営業トークにしても色っぽいエッセンスを部下に降り注ぐことにヤキモチを焼いたのだ。

ひと通りのマダムの話を聞いた後で自分が何者であるかを説明した部長は速やかに電話を切った。

マダムは忙しい時間なのだろうと気にもしなかったが電話の相手が常連客だとは気がつかなかったらしい。

果たして、その後、ヤキモチゆえに優秀な部下に八つ当たりする訳にも行かなかったが通いつめたマダムのところへは二度と現れなかった。

もちろん電話を受けていない課長も何が起きているかを知る由もなかったから通う事はない。

結局、意図もせずに二兎を追うことになったマダムの店は常連客を増やすどころか単純なOLのミスで客を減らすことになってしまった。


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